井ノ口「ご主人の借金によく気づかれましたね…。このまま、色々な所から借り続けていたら、大変なことになるところでした。いつ、気づかれたのですか?」

Aさん
「一昨日、たまたま、ごみ箱から消費者金融の振込明細を見つけて…。昔は小遣いが足りないって、よく言っていたのに、最近、ぱったりと言わなくなってたんですよ。どうやりくりしてるんだろう?と前から疑問でした。そうしたら、こんな…。」

井ノ口
「ご主人、どうして消費者金融から借りてしまったのでしょう?」

Aさん「便利だったからじゃないかしら。以前、職場の方と呑みに行く時にお小遣いが足りないことがあったみたいなんです。それで何とかいう名前の無人で借りられる機械を使ったら、簡単にお金を借りられたんですね。それで、味をしめちゃったみたいで…。」

井ノ口「今の世の中、簡単にお金を借りられますけど、利息も高いですし、返済のことを考えて慎重に借りないといけないですよね。」

Aさん「利息って本当に高いですね。例えば、この貸金業者、夫は月2万円ずつ支払いをしていたのですが、利息にばかり充てられて元本が全然減ってないわ。」

井ノ口「少し前まで、ほとんどの消費者金融が金利を年29.2%近くに設定していました。金利年29.2%で50万円を借り入れた場合、1ヶ月で約1万2千円の利息を支払う計算になります。また、仮に毎月2万円をきちんと支払い続けたとしても、完済までに3年以上かかることになります。返済の途中で借り増しを何度もしてしまうと、いつまで経っても元本はほとんど減らないでしょう。」

Aさん「主人はまさに今、そんな感じです。井ノ口さん、どうしたらいいんでしょう?」

井ノ口「借金と返済を繰り返す状態から、早く抜け出すようにしたいですね。当事務所では、話し合いや法律手続で借金を圧縮する<債務整理>というサービスを提供しています。」

Aさん「何だか難しそう…。よく電車の吊り広告とかで「借金は、おまとめローンにお任せ!」とか書いていますけど、あれとは違うんですか?」

井ノ口「『おまとめローン』を利用した借金整理をという方法もありますが、これは銀行からまとめてお金を借りて、消費者金融などから借りている借金を一括返済する方法です。一種の借り換えですね。一般に銀行の金利は年10%前後で消費者金融の金利よりも低いので、その分月々の支払いは楽になる可能性があります。」

Aさん「同じお金を借りるなら、金利が低いところの方がいいわね。」

井ノ口「一方、司法書士などがする債務整理・・・例えば任意整理では、各貸金業者と交渉して、現在ある借金の元本部分を3〜4年で分割返済する代わりに、利息部分は免除で、今後の利息は発生しないといった内容で、合意を取り付けます。利息がなくなる分、月々の支払いは楽になる可能性があります。」

Aさん「利息を支払わなくてもいいというのは、大きいわね。」

井ノ口「さらに、ご主人がお金を借りている消費者金融は、グレーゾーン金利と言われる、法外に高い金利で貸していますから、ご主人は法律的には本来払う必要のない分まで利息を払い過ぎている可能性があります。この場合、債務整理手続を取れば、今までに払い過ぎた利息を元本に充てて借金を計算し直しますので、借金そのものを減らすことができます。」

Aさん「グレーゾーン金利ってややこしそうね。『おまとめローン』を利用した場合は、借金そのものを減らすことはできないのかしら?」

井ノ口グレーゾーン金利について詳しくは、次のページをご覧ください。『おまとめローン』を利用した場合は、残念ながら借金の額を減らすということは難しいと思います。」

Aさん「債務整理手続の方が、色々といいみたいね。でも、一度債務整理をしたら、やっぱり二度と借り入れはできなくなるんですか?」

井ノ口「そうですね。司法書士などが債務整理の手続をしますと、ご主人が債務整理をしたという記録が信用情報機関に残って、数年間、住宅ローンなど新たな借り入れができなくなる恐れがあります。」

Aさん「う〜ん。つまり、債務整理は借金を減らせるけど、しばらく借り入れはできにくくなる。『おまとめローン』を利用すれば、借金自体は減らないけど、月々の支払いは少し減るし、今後も借り入れができるってこと?」

井ノ口「ケースバイケースですが、概ねそうなります。なお、『おまとめローン』は審査がありますので、誰でも必ず利用できるわけではありません。」

Aさん「誰でもできて、借金も減って、今後も借り入れができる、そんな都合のいい解決方法はやっぱりないんですね。主人とよく話し合って、よりベターな方法を選びます。」

井ノ口「借金整理で一番大事なことは、ご家族が協力し合って、よくお話し合いをされることです。また、家計を見直されて、月にどれくらい返済ができるのかということを確認することも大事です。」

Aさん「わかりました。今日はありがとうございました。」